【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第53回)
興国寺を歩く(二時半頃~三時十五分)。静かなり。余りに静かなり。少し歩くと大きな山門。軽トラックが止まり、庭師が作業をしてゐる。ちよつと間がわるいなあと思ひながらも、古びて如何にも由緒正しく趣のある寺を眺め、松の大木を仰ぐ。木蔭には涼しき松風、どこからともなく聞こえてくる美しいうぐひすのさへづり・・・さうして、夏を鳴き切る蝉時雨・・・暫く物思ひに耽る。ふと気がつくと、庭師が帰って行かうとしてゐる。正直ほつとする。頭を垂れ、手を合はせる。心が落ち着く。澄んでくる。作法に則(のっと)って尺八を捧げ持ち、拝礼し、「調子」を吹く。心の中に静かに感動が広がる。沁み出す。「到頭来た。初めて我が国に尺八が伝へられたこの寺へ・・・」感無量なり。
興国寺を歩く(二時半頃~三時十五分)。静かなり。余りに静かなり。少し歩くと大きな山門。軽トラックが止まり、庭師が作業をしてゐる。ちよつと間がわるいなあと思ひながらも、古びて如何にも由緒正しく趣のある寺を眺め、松の大木を仰ぐ。木蔭には涼しき松風、どこからともなく聞こえてくる美しいうぐひすのさへづり・・・さうして、夏を鳴き切る蝉時雨・・・暫く物思ひに耽る。ふと気がつくと、庭師が帰って行かうとしてゐる。正直ほつとする。頭を垂れ、手を合はせる。心が落ち着く。澄んでくる。作法に則(のっと)って尺八を捧げ持ち、拝礼し、「調子」を吹く。心の中に静かに感動が広がる。沁み出す。「到頭来た。初めて我が国に尺八が伝へられたこの寺へ・・・」感無量なり。
うぐひすのさへづりに「調子」の調べ響き合ひ
松風とうぐひす調子蝉時雨
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