真冬日でないとこんなにも暖かいものなのか・・・このまま大雪が降ることもなく春になってくれればいいのですが・・・

「奧の細道」を行く  -木の舟、鐵の馬  第二部-(10) 

と、思ふ間もなく、村を通り抜け、道の左手に、鬱蒼とした森、古びた石柱。ここか。石柱には、白河神社とあり。一歩中に入ると、左手、愼ましい木の柵の傍らに、「おくのほそ道」の石柱。これまた、小さく愼ましい。それが何ともいい。この忘れられたやうな風景に似つかはしい。この旅において初めて見た、「奧の細道」の文字。その向ふには、赤、黄、紫の花。聊かの感慨無きにしもあらず・・・右手に「國史跡 白河關跡」の説明板。まさしく、白河の關なり。到頭、ここまで來たか。説明を讀むのももどかしく、更に中へ。石柱、「史跡 白河關」。漠然と、道をふさいで立つ大きな「關所」を想像してゐたが、思へばそのやうなものが今に殘つてゐるはずもない。人間すら殆どゐはしない。