【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第69回)
「第十三日。七月二十六日(金 )曇り」
起床七時。「いよいよ今日で最後か。いよいよ北海道へ帰るのか・・・長いやうで短く、短いやうで長い二週間だったなあ・・・」暫し感慨に耽る。「とにかく無事に帰ることが最大最高のお土産だ。慎重の上にも慎重を期して走らう」
今日はいよいよこの長く思ひ出多き旅の最終日。本当に最後の最後まで色々なことがあつた・・・
朝の行の後、読書をゆつくりと、たつぷりと、じつくりと。なにせ他にやることとてない海の上・・・久しぶりの読書三昧。堪能す。
佐渡見えず良寛さんを偲びつつ
日の光海を照らしていまここに
「万葉集」を読む (巻三 相聞)
古への日の本人の心見ゆ清かり明かり直かりき
良寛さんを読む心がゆつたりととけてゆく
八時。佐渡島沖を航行中との放送ありたれど見えず。朝食。
九時五十分。山形沖二百キロメートル航行中との放送あり。
十時~十一時半。眠る。流石に旅の疲れが出て来たか・・・
十一時五十分。秋田県龍崎沖航行中。
十一時五十五分~一時十五分。ツーリングノートと地図で今回の旅を振り返る。
午後一時十五分~一時四十五分。家族へのメールと家族からのメールを読み返す。
たのし、ありがたし。
三時~四時半。眠る。他にすることもなく疲れも残り、いくらでも眠れる感じなり。
四時三十七分。一瞬なれど携帯電話つながる。十二時二十一分のメール届く。
妻からのメールが何ともなつかしく
五時頃。夕食。おにぎりが美味い。こんな素朴な食べ物も少ないが、またこんな美味い食べ物も少ないやうな気がする
五時半頃、家族に送るメールを書く。(多分、小樽港に着いた時点で発信したと思はれるが、旅の手帖には記録なし)
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