水あそび・・・浅瀬で顔を洗ったり、泳いだり、景色を眺めたり・・・川床に手をついて立ち上がらうとすると、、割れた硝子瓶で親指を切った。にじみ出て来る血の赤さが自分を現実に引き戻す。これは人間の作った硝子の瓶だ。さうして誰かがこれをここに放り投げたのだ。清らかな川の水で指を洗ひ、暫く傷口を押へてゐると血が止まった。心無い人間の愚かな行ひを責める気さへ起らぬほど、川は静かで美しかった。舟を漕ぎ出す。ゆつたりと景色を眺めながら・・・