国上寺を暫く眺め、辺りを歩く。何本もの大木、風情ある池、由緒正しい付属の建物・・・「きつとここへ良寛さまも何度も来られ・・・」暫し物思ひ耽る。戻らうとすると突然の雨・・・近くの大木の下に駆け込む。ふと見れば案内板あり。「大銀杏の御神木」と。雨宿りにうってつけの大木、逞しい大枝。ありがたし。これも何かの縁か・・・不思議な気がする。手を合はせて拝む。心が静かに落ち着いて来る。
大銀杏見上ぐるや雨滝の如(ごと)
千年のいのちに守られ雨やどり
ありがたし神の木銀杏佛の木
雨が小降りになる。「丁度昼飯の時間か。取り敢へず昼飯を食べながら待つとするか・・・」
駐車場に戻り、食堂に入る。客は自分一人。ゆつくりと食べる。うまい。食べてゐるうちに少し空が明るくなる。天の佑(たす)けか・・・俄然元気が出て来る。「さて、そろそろ行ってみようか」
いよいよ五合庵へと向かう。狭い山道、かなり急な坂道。「こんなに狭い、急な道を良寛さまは・・・」下り坂の途中に小さな井戸。「雷の井戸」とあり。「ああこれがあの・・・」感慨深し。
突然、視界が開ける。「ああ、これだ!五合庵!」到頭来た!感無量なり。
深い霧の幽かななる水音の