囲炉裏端から

主として趣味に関わる様々な話題を、折に触れてエッセイや紀行文の形で自由に書いてゆこうと思っています。過去に書いた文章も適宜載せてゆきたいと考えています。

2016年11月

【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第28回)
十一時四十分、関越自動車道に入る。晴れ、快適な高速道。どうしてもスピードが出がちになる。「急ぐ旅ではない。慌てることはない。特に今日はただ東京に行って、あいつに会ふだけだ。ゆつくり走らう・・・」スピードを落としのんびりと走る。直線の長いところではアクセルを固定して、のんびりと走る。風が心地いい。群馬を抜け埼玉を抜け、一路東京へ。

十二時十分頃、寄居(深谷市)着。ここまで九十・五キロ。東京外環自動車道に入る。

一時四十分頃、三郷南出口から一般道へ降りる。ここまで一八五・二キロ。Aに電話す。

例によつて、道に迷ひながらも何とか教へられた道を行き、大きな店の駐車場にて待つ。ますます暑い。バイクで来た二度目の東京の夏・・・「あれから二十四年・・・あの時三十六歳の俺も早還暦。さうして、あの時の相棒はCBX・・・」一人感慨に耽る。

暫くして、A来る。「久しぶりだな。わざわざすまんな。」「おう、よく来たな。暑いだらう」

「ああ。この暑さにはまゐるわ」懐かし。ありがたし。

【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第27回)
「第六日。七月十九日(金 )晴れ」 

起床五時半。読書ゆつたりと。「調子」吹く。

六時半から七時頃朝食。出発準備を入念に行つた後、八時二十分出発。

  蝉しぐれ門出を祝ふ如(ごと)

九時二十分過ぎ、道の駅こもち(群馬県)着。暫く休む。気分も新たに走り出す。

標識に前橋の文字あり。「前橋と言へば萩原朔太郎の生まれ故郷だなあ」ふと朔太郎の詩の一節を思ひ出す。「フランスへ行きたしと思へどフランスは遠し」旅心の為せる業か・・・

十時四十五分~十一時二十五分。高崎市小八木町のハーレー専門店で脱落してゐたエンジン回りのボルトを取り付けてもらふ。これで一安心。対応してくれた親切な女性店員の名はなんと筆者と同名。ひとしきりその話で盛り上がる。奇縁なり。メカニックの対応も懇切丁寧。旅もいよいよ中盤にさしかかる。それにしても暑い。これが本州の夏か・・・東京の友達に電話す。

【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第26回)
 
午後五時七分、湯宿温泉到着。荷物を下ろし、少し離れた車庫にバイクを入れる。

 部屋に入って暫くのんびりとする。風呂に入る。小さい湯船だが、他には誰もゐない。貸し切りでのんびりゆつたりと旅の疲れを癒す。

極楽至福湯に浸り

 

夕食を待つ間に、家族全員にメールを送る。 

夕食 六時半~七時頃 たつぷりと山の幸が使はれた素朴な料理、いとも旨し!

 

息子から電話来たれど間に合はず。こちらからかけ直す。暫く話す。

父に電話し、暫く話す。東京の友達に電話すれどつながらず。間もなくメール来る。

家族全員にメールを送る。「無事着いた。湯宿温泉といふ所に止まってゐる。」

息子から電話来る。暫く話す。

 

地図で明日の行程を確認す。いよいよ明日は東京なり。

就寝 十一時半。長く充実せる一日なりき。

 

【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第25回)
三国峠  ここにも「三国峠」が・・・北海道を思ひ出す。

「満天ほしのゆ」の看板。「これだ!」早速行く。何と定休日・・・国道へ戻る。

猿ヶ京といふ小さな街で道を尋ねる。夕方四時頃、次第に夕闇の気配が濃くなりりつつある。早く今日の宿を探さねば・・・こぢんまりとした土産物屋に入つて、干し葡萄とブルーベリー黒糖を買ふ。「この近くにいい温泉と宿はありませんか」親切に教へてくれる。電話までしてくれる。空きがあるとのこと、ほつとする。「これで取り敢へず今日の宿は確保された・・・」

宿を間違って狭い玄関に乗り入れ、戻さうとした瞬間、僅かな傾斜を読み誤り、バイクを倒しさうになる。満身の力で持ちこたへてゐるところを、近くで工事をしてゐた若い人が目ざとく見つけ、駆けつけてくれる。あわやといふところでバイクを支へてくれる。厚い人情に触れる。丁重に礼を言ふ。

【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第24回)

「しょうがない。もうちょっと行ってみよう」やがて意想外に立派な寺に辿り着く。「こんな人も殆ど住んでゐないやうな山奥にこんな立派な寺が・・・」驚く。バイクから降りてどうしようかと思案してゐると、頭をきれいに剃り上げたお坊さんが現れる。訳を話し、道を聞く。新説に教へてくれる。これでどうやらたどり着けるだらうとほっとする。もう二度とこの寺を訪れることもないだらう。延命寺という縁起のいい名のこの寺を・・・

 戻る。更に道に迷いながらもやうやく「龍ヶ窪」の駐車場に着く。心底ほつとする。案内板に従って歩く。途中に湧水あり。石でできた龍の口から清冽な清水が湧き出してゐる。

龍ヶ窪に着く。拝む。旅の無事を祈る。清冽極まりない清水を飲む。冷たい!旨い!日本といふ国のありがたさを感ず。今後の旅に備へて水筒にも汲む。

   幽邃なる水の川の池の龍神さま

     沸壺池の清水をのみほし龍ヶ窪の水を

龍ヶ窪を後にして、十七号線へ戻る。東京を目指してひた走る。 

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