今日は快晴。森林公園へ藤の花を見に行って来ました。間もなく満開といふ感じでとても綺麗でした。

-木の舟、鐵の馬  第三部- (13)
 
 (6)歸宅

                                 

 バ-ドセンタ-(?)らしき建物が見える。ホテル(或いはユ-スホステルか)のやうなものに近づく。随分と古い。人影。舟を岸に着ける。時に四時二十分。歩いて中に入り管理人と話す。バスの出發時間まであと三十分程。停留所までは、普通に歩いても十分はかかると言ふ。大急ぎで舟を疊み、擔いで歩きださうとすると、丁度バス停の方角から戻つて來て再び出掛けようとする車あり。「どこまで行くんですか」「バス停まで行つて、それからバスで千歳の驛まで行かうと思つてゐるんです」「さうですか。よかつたら乘つて行きませんか」「でも、今向うから戻つて來たばかりでせう。惡いですよ。」「いいえいいんです。晩飯でも食べに、千歳まで出ようかと思つてゐたところなんです。」「さうですか。それぢやあ、お言葉に甘えてさうしようかな。ほんとにすみませんね。」「いいえ、どうせついでですから。」かうして今日も人の情けに助けられた。暖かさに觸れた。 車の中で色々な事を話す。一と月前に會社を止めた横濱の若者。暫くの間、のんびりと旅行をして歩くのだと言ふ。何となく北海道へやつて來たけど、結構寒いし、觀光客も殆どゐないんですね、等とのんきなことを言つてゐる。「どこかいいところありませんか」「今はどこも、ただ寂しいだけですよ。大雪山の方へ行けば、紅葉が見られるかもしれないけど・・・」「さうですか・・・」「今度は夏に是非來て下さい。案内しますから」話してゐるうちに、この人もオートバイが好きだといふことが分かる。北海道へ是非バイクで來たいと言ふ。その時また會へるかも知れぬ・・・人の縁・・・