【還暦記念ツーリング。本州・四国の旅】(第19回)
 
「棟方志功の世界」(今泉記念館アートステーション 常設展示) 

十時七分~十一時二十五分

(はや)る心を抑へ会場へと急ぐ。「何てついてるんだ!こんな所でまさか志功とつつあんの板画が見られるとは!信じられないやうな幸運だ!」会場には誰もゐない。受付で入場料を払ふ。親切な受付嬢が荷物をお預かりいたしませうかと聞いてくる。預ける。

 

 階段を上がるのももどかしく駆け上がるやうに会場へ。と、目の前にドーンと志功とつつあんの巨大な写真!「おお、とつつあん!」思はず叫ぶ、呼びかける。

おお、とつつあん!思はず叫び写真に呼びかけ

 先づ半分ほどの作品を見る。「ああ、これだ!これが棟方志功だ!」特に気になった幾つかの作品をじつくりと見る。二三人の来場者とすれ違った後は、もう誰も来ない。贅沢極まりない「貸し切り 棟方志功展」!

「彫る 棟方志功の世界」(短編記録映画)見る。絶えず何事かを呟きながら、時には鼻唄を歌ひがら、もの凄い速さで板を彫って行く棟方志功・・・恰もデモンに取り憑かれたかのやうな凄まじさに圧倒される。